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8話← 茨の森7話 →6話 →→→1話
函館天音軸 冥加×かなで
函館軸ですがゲーム本編に全然沿ってません(コンクール云々は一緒)
ファンタジー色強め、登場人物のキャラクターがおかしいかもしれません
オリジナルの捏造設定のようなものも多々でてくるのでご注意を。
函館天音軸 冥加×かなで
函館軸ですがゲーム本編に全然沿ってません(コンクール云々は一緒)
ファンタジー色強め、登場人物のキャラクターがおかしいかもしれません
オリジナルの捏造設定のようなものも多々でてくるのでご注意を。
「悔しい」
かなでは不機嫌そうに帰っていく冥加の後ろ姿を見つめていた。演奏を満足してもらえなかったのだろうか。夢中で弾いていたため、自分がどんな演奏をしていたのかは覚えていない。会場の反応からもそれほど悪い演奏ではないは思っていたのだが、冥加の満足するレベルには達しなかったのだ。
広い背中が、人混みに紛れながらも形を保ったまま遠ざかっていく。
かなでは唇を噛んだ。
それは、記憶を失くしてから初めて現れた感情だった。
横浜天音のメンバーとは会場で解散し、かなで達四人は外で夕食を済ませた。コンビニで買い物をして帰るというニアとソラと別れ、すっかり日の暮れた海岸沿いの道をかなでとトーノは歩いていた。
「海の近くだからかな、ちょっと涼しいね」
「うん、海風って気持ちいいよな」
港に見える様々な光を見ながら、二人は歓声をあげた。やがて海沿いを離れ、灯りの少ない二番目の家がある住宅街へと進んでいく。
「小日向さん、記憶はまだ?」
「へへ。お恥ずかしながら、まったく思い出せないんだよねえ」
かなでは気を遣わせないよう、努めて明るい笑顔を見せた。
「そっか。あんまり、無理しないようにな」
「ありがとう。トーノも、みんなもいるから私は平気だよ」
それを聞いたトーノは照れたように笑って、そして俯いた。
「トーノ?」
二人を照らす電灯がちらついている。
「小日向さん。もしかしたら、もしかしたら俺が…」
普段明るく朗らかなトーノの表情が曇っていた。かなではその顔を見て何と言っていいかわからず、大人しく次の言葉を待った。トーノは黙ったまま、少しの間二人は点滅する電灯の下に佇んでいた。
「なんだ、まだ帰っていなかったのか」
沈黙を破ったのは二人のどちらでも無く、ニアだった。どうやらニアたちに追いつかれたらしく、電灯に照らされ二人の人物が現れる。彼女に続き、ソラは呆れたような声を出した。
「流石に遅すぎだろ。僕ら、特に歩くの早いってわけじゃないと思うんだけど」
「海を見ながら歩いてたからかなあ」
重い雰囲気を悟られるのが嫌で、かなでは呑気に答えを返す。
「はあ、あんな人口の光の何が良いんだか」
「あー、そういうこと言うんだ」
「ソラ、女心がわかってないな」
「わからなくて結構」
気づけば、トーノはいつものように笑っていた。
かなでもそれに習うようにしてできるだけ自然に笑顔を浮かべたが、上手くいったかはわからなかった。
文体が安定しないのが悩みです。
あと気分によって文が長くなったり短くなったり…
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